【形のコントロールが難しい部位です】
口元は硬組織(上下顎骨、歯牙)や軟部組織(口唇)から成ります(図1)。立体的な構造で、動きのある動的な器官ですので、形のコントロールが難しい部位になります。
硬組織に関しては上下顎の骨切りや外科的矯正手術、矯正歯科による歯科矯正などでコントロールします。
一方、硬組織を触るまでは様々な理由で希望されない場合は軟部組織で見た目を整えます。

【まずは口唇の解剖から】
理想的な口唇とは
①人中と赤唇の長さ、比率が良い
②人中稜・赤唇縁・赤唇の膨らみがある
③口角が上がっている
ことなどが挙げられます。
【治療法】
① 人中と赤唇の長さ
人中の長さは15~16mm、赤唇は上7~8mm、下10~11mmが基準になります。
口唇のどの部分を触るかで効果が変わってきます。
人中が長い場合は面長で、老けた様な印象を与えてしまいます。
人中を短くすることで若々しい印象を作ることができます(鼻下長短縮術)。
口唇が薄くて寂しい方は口唇拡大術。口唇に厚みを持たせるために、脂肪注入と粘膜弁法(口唇裏側の見えない部分で粘膜をW型に切って、互い違いに縫い合わせることにより、裏側の粘膜を表側にずらして厚くする方法)を行います。
口唇が太くてタラコのようで嫌な場合は口唇縮小術。口唇の裏側の見えない部分で粘膜を切り取り、縫い合わせることで薄くします。傷あとは口唇の裏側にありますので、隠れて見えません。
② 人中稜・赤唇縁・赤唇の膨らみを作るにはヒアルロン酸注入が適しています。注入刺激によって線維芽細胞がコラーゲンを作ります。その結果、ヒアルロン酸が吸収されても持続効果が期待できます。
③ 口角が下がっていると不機嫌な、老けた印象を与えてしまいます。
口角を挙げることで優しい、若々しい印象を作ることができます(口角挙上術)。